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和栗の最高峰

人丸 ーHITOMALUー について


人丸ーHITOMALUーとは

9月前半頃から収穫される早生系統の栗です。鬼皮の色が一際鮮やかで、可食部も鮮やかな黄色、香りが良く、濃厚なのにすっきりとした上品な味わいが特徴です。100種類以上ある和栗(日本栗)品種の中でも、生産量がとても少なく一般市場にはほぼ出回ることのない、大変希少価値の高い栗です。

 

(和栗やオーナー竿代の個人的な感想)

この栗に初めて出会った時の大きな衝撃は今でも忘れません。沢山の品種と食べ比べた中でもその上品さは別格、この栗こそモンブランに最適だと一瞬で虜になりました。


ほとんどの栗は「栗」として流通?

リンゴであればフジ、紅玉など、ブドウであれば巨峰、マスカットなど、現代ではほとんどの果実が品種毎に分類され流通しているのに対し、栗はそのほとんどが「栗」として流通しています※。赤いネットで販売されている品種明記が無い「栗」のほとんどは、複数の品種が混ざって販売されています。

※受粉率を高め、収穫量を増やすために「混植」という栽培方法が行われてきたため、品種毎に明確に選別するのが難しいという事情があります。

※「利平栗」「ぽろたん」など、付加価値のつく(通常の栗より高値で取引される)栗に関しては、品種毎に販売されています。


品種と産地呼称の違い

栗にも沢山の品種(日本の栗だけでも100種類以上)があり、地域差はありますが一般的に広く栽培されている主力品種だけでも10種類以上は存在します。ここで誤解が生まれ易いのが「丹波栗」「小布施栗」「恵那栗」「四万十栗」といった『産地呼称※』の栗を、栗の『品種』と勘違いするケースです。

『産地呼称』とはその地域周辺で採れた栗を指し、品種までは『明確』に定義されていません。従って産地呼称の〇〇栗という中にも複数の品種が存在しています。(明確に品種を明記し、販売している場合を除く)

一方で「丹沢」「人丸」「筑波」「銀寄」「利平」「ぽろたん」といった名称は栗の品種名です。

 

(例)産地呼称=勝沼のぶどう/あら川の桃

(例)品種=巨峰、シャインマスカット、デラウェア/日川白鳳、清水白桃、川中島白桃


栗の味の差は産地よりも品種

実は、栗の味を大きく左右するのは産地よりも『品種』なのです。もちろん同じ品種ならばどこの産地でも一緒ということではありませんが、同じ産地であっても細かく言えば、樹齢や畑の場所、何より天候や年によっても差が生まれます。

従って、産地=環境よりも、品種=DNAの違いの方が味に明確な差が出易いということが言えます。

 

(例)「山梨のぶどう」と「岡山のぶどう」の差より、「巨峰」と「シャインマスカット」の差の方が明確にわかり易い!


なぜ、一般市場にほとんど流通していないのか?

現在の栽培種の中では小粒であるために市場であまり評価をされませんでした。市場では味よりも価格が重要で、その価格を決める大きな要素は見た目です。日本人は「初物」と「大きくて立派な物」をとても評価する傾向にあります。どんなに味が良くても今の市場では小さな栗は評価をされない、評価をされない栗は農家さんもあまり作りたがらないので、栽培する方が増えませんでした。それが、自社農園を持ち、自ら栽培を始めたきっかけの一つにもなっています。

(現在、自社農園の9割は人丸です)

 

創業以来、和栗やの看板商品として「人丸ーHITOMALU」は多くのメディアに取り上げていただきました。認知度は高まり、全国的に栽培をする農家さんも増えてきましたが、小さい栗は農家さんにとって収穫に手間がかかるため、途中で栽培を止めてしまったという残念な話も耳にするようになりました。人丸の流通量、栽培量はまだまだ少なく、希少価値が高い特別な栗です。


小さいからこそ美味しい人丸

中国栗、ヨーロッパの栗に比べ、日本栗は大果であると表現されています。確かに今の日本栗栽培種は大粒な傾向の栗が主力です。但し、遥か昔から日本の山に自生していた山栗(在来種)は概ね小粒でした。先程も触れたように、日本人の「大きくて立派な物」を評価する気質が、現在の大粒傾向の栽培種を作り上げたと考えれます。

毎年秋になると沢山の品種の栗を食べ比べします。その結果として明らかに言えることは「栗は品種で味が大きく異なる」、そして「栗は人丸に限らず、小さい方が美味しい」ということです。大きな栗が高値で取引される市場の現実、世の中の認識とは正反対ではありますが、これが栗に人生をかけたプロの本音と見解です。


人丸 -HITOMALU- への想い

この人丸を100%使用し、産地、そして生産者まで明確に表現できる「作りたてのモンブラン」は他には存在しません。唯一無二の価値がある、それがプレミアムモンブラン『HITOMALU」です。

今では焼き栗、蒸し栗、栗おこわなど様々な形で提供をしていますが、どんな調理をしても美味しいのがこの「人丸」です。この素晴らしい栗を未来に残すため、これからも日々、栗と向き合っていきたい、そして世の中の栗に対する既成概念を良い方向に変えていきたいと考えています。


文責:和栗やオーナー兼栗農家 竿代 信也

※HITOMALUは和栗やの登録商標です。